「終わったんだなぁって思います」―蔭山愛(教4)は最後の全カレを感慨深げに振り返った。
蔭山はこの大会100m、200m、400mに出場、100m、400mで4位入賞を果たすも表彰台に1歩届かず悔しい結果に終わった。
2日目に行われた100m決勝。やや遅れ気味のスタートだったが、中盤から後半にかけて伸びを見せ、2位以下混戦の中ゴール。結果は3位と0.01秒差の4位。「あそこでもうちょっと粘っていたら流れは変わったのかな」語る蔭山が次に挑んだのは400m決勝。積極的な走りを見せるも、表彰台には届かず4位。「直前の練習ではいい形で練習がつめていた」だけに悔しさの残る結果となった。
そして最終日、疲れもある中のぞんだ200m準決勝。 前回大会覇者である蔭山は「ここを通らないとなっていう気持ちばかりが先走って自分の走りを見失ってしまった」と振り返るように、持ち前のスピードを最後まで生かせ切れず、この組4位。これにて蔭山最後の全日本インカレは幕を閉じた。
今後は国体に400mとリレーで出場するという蔭山。「今回は(400mで)54秒すら出なかったので、しっかり54秒を出し、決勝で53秒を出したい」と目標を語る。国体ではインカレの悔しさをバネにし、地元の声援を力に変えての快走と、とびきりの笑顔を期待したい。
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100mH表彰式の様子。最終日に紫村の笑顔がはじけた。
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紫村仁美(スポ4)は今大会100m、200m、100mHの3種目に出場した。
1日目の100m予選。スタート直後にピストルが2度鳴った。フライング。失格となったのはまさかの紫村だった。「そのぶん(100mが失格だったぶん)、ハードルと200mに集中したんですけど、やっぱり200は走力が足りなかった。」紫村が語るように、200mは準決勝で姿を消した。
しかし、100mHは圧巻の走りだった。今年4月に日本学生記録を打ち出した紫村は予選、準決勝と他を寄せ付けない走りを見せた。 そして大会最終日、むかえた決勝。スタートからトップにたつとその後も圧倒的なハードリングで独走状態、13秒53のタイムで優勝を果たした。「大会新記録を狙っていたのでちょっと悔しいが、本当に楽しく走れた。」と話す紫村。「ずっと優勝を狙っていたし、後輩の羽角と一緒に決勝を走れたのが本当に嬉しかった。」とゴール後は、同じく決勝を走り7位入賞した羽角彩恵(スポ2)と抱き合い、ほっとしたような表情も見られた。
今後は「もう一度(100mHで)学生記録を塗り替えられるようにやっていきたい」と話す紫村。全カレは終わったが彼女の活躍からは目が離せない。
「仲間がいるな、ってことに気づいてからしっかり自分らしい走りができるようになってきた。仲間に助けられた4年間だったと思います。(蔭山)」、「(女子を引っ張ってきたことに関して)女子みんなで団結して毎大会を乗り越えられたのでよかったと思っています。(紫村)」と2人はこの4年間を振り返る。4年間、早稲田女子勢の先頭を引っ張ってきた蔭山と紫村。3年生になるとリレーを組めなくなり、個人で戦うことが多くなった。だからこそより一層仲間の存在が強く感じられたのだろう。 仲間とともに―。そんな想いを胸に歩んできた4年間が間もなく幕を閉じようとしている。
【蔭山愛結果】
◇100m 予選1組 12秒00 (1着)
準決勝3組 12秒09 (2着)
決勝 12秒06 (4位入賞)
◇400m 予選2組 56秒48 (1着)
準決勝2組 55秒68 (2着)
決勝 55秒31 (4位入賞)
◇200m 予選4組 24秒48 (1着)
準決勝1組 24秒34 (4着)
【紫村仁美結果】
◇100m 予選4組 フライング失格
◇100mH 予選6組 13秒69 (1着)
準決勝2組 13秒82 (1着)
決勝 13秒53 (1着)
◇200m 予選5組 25秒03 (3着)
準決勝2組 24秒83 (4着)
関連URL
早稲田大学競走部公式サイト
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